・ナチス戦犯裁判を世界に発信した男たちの『アイヒマン・ショー』 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 大好きな洋画や海外ドラマで現実逃避。妄想ワールドにワープして、スパイやセレブなセクシーマダム、FBIエージェントにだってなれちゃうからね。, アクション・サスペンスが大好物、苦手なのはラブストーリー。楽しく感想を綴っていきたいと思います。, アラフィフの美容と健康、ダイエットについて、私(みかねー)が体験したことを別ブログに綴っています。よかったら見てね。. 2016/4/15 もし本作の目的が歴史的事実を後世に残すためなら、有名俳優を起用したり戦闘シーンに重きを置かずドキュメンタリーの形を取ればいい、と。, 実際、友人の家族・親戚や友人等の中で本作を鑑賞した人は2、3人しか知らないそうです。その多くは彼と同じく、本作を「外国の視点から描かれた、暗殺事件について知識の無い外国人向けの映画」と捉えているよう。, 本作は2017年度のチェコ・アカデミー賞 “Czech Lions” において作品賞、監督賞を含む14部門に渡りノミネートされましたが、受賞に至ったのは観客賞(ショーン・エリス監督)のみ。, 同年の受賞を独占したのは、チェコ人の監督によって主にチェコ語で製作された、チェコスロバキア設立者の息子でかつて外務大臣を務めたヤン・マサリクについて描いた作品 “Masaryk” (英題 “A Prominent Patient”)でした。, 作品の魅力、伝わったでしょうか? 作品全体としては賛否両論あれど、筆者は監督とプロダクションチームの、可能な限り事実に誠実であろうとする姿勢に感動を覚えました。, 本作品は過剰な演出で執拗に観客の注意を引こうとするのではなく、あくまでもリアルさを重視したカメラ効果や演出技法、俳優の演技にこだわっているように感じられました。, ただそのリアルさゆえに心的に受けるインパクトが強く、作品鑑賞後も頭から離れないシーンが多いのは事実。鑑賞の際は少し覚悟が必要かも知れません。, チェコ人の友人の見解も非常に興味深いもので、人類の悲しい戦争の歴史が現在のチェコとその人々に与えている影響について理解を深めると共に、視野を大きく拡げる機会をくれました。, 持続的な平和の実現には、悲しい歴史を忘れないことが大切です。実際の体験はなくても、過去の戦争の事実を知り、その残酷さと悲しみを忘れない努力はできます。映画はその一端を担ってくれる、大切なツールと言えるでしょう。, 『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺計画』は決して気楽に鑑賞できる作品ではありません。惨いシーンも数多くあり、筆者は鑑賞中幾度となく涙ぐんでしまいました。, しかし本作が人々の心に残り、彼らに「平和とは何か」「本当に大切なものは何か」を問いかけ続けるきっかけになることは間違いないと感じるのです。, ・『少女ファニーと運命の旅』で未来へ語り継ぐ、ナチス占領下フランスの子供達 ・9年ぶりのクストリッツァ!純愛ファンタジー『オン・ザ・ミルキー・ロード』に込められた反戦のメッセージとその原点, オランダ在住のライター・翻訳家。風通りの良い、川沿いの街で静かな生活を楽しんでいる。中学時代にミニシアター系映画の魅力に惹かれ、ヨーロッパ、中近東、アジアなど様々な国々の作品を鑑賞。特にイギリスの映画監督ケン・ローチの作品が大好きで、ついその魅力を人に語ってしまう。好きな映画のジャンルはドラマ、ドキュメンタリー、歴史。最近はミニシアター系だけでなく大衆向け映画も楽しめるようになり、ますますお気に入りの作品が増加中。映画を観る度、映画が人とその人生に与えるインパクトに感動を覚え、つい泣いてしまう。, 9年ぶりのクストリッツァ!純愛ファンタジー『オン・ザ・ミルキー・ロード』に込められた反戦のメッセージとその原点, 【特集】今週公開の映画:11/6〜『十二単衣を着た悪魔』『おらおらでひとりいぐも』他. 本当はもっといっぱいいるんですけどね。。, ナチスドイツの巨大な秘密警察機構、《国家保安本部(RSHA)》のゲシュタポB4課(ユダヤ人問題担当)に所属し、ナチ占領区の1100万人にも及ぶユダヤ人を絶滅収容所に送り込む仕事をしていた。, アイヒマンは凡庸な男であったが、ユダヤ人問題のスペシャリストになろうと研鑽を重ね、いつしかその道のプロとみなされるようになった。上司のラインハルト・ハイドリヒに見出され、絶滅収容所行きの膨大な量の鉄道ダイヤを管理する立場になった。その仕事を熱心に続け、戦争が敗戦に傾いてもなおユダヤ人の絶滅と、ドイツ本国への移送に執念を燃やし、一人でも多く殺すことに情熱を傾け続けた。, 戦後はヴァチカンの手を借りてアルゼンチンに逃亡したが、1960年、イスラエル諜報機関「モサド」によって確保されイスラエルで死刑判決を受けた。これは死刑が存在しないイスラエルでの最初で最後の死刑となった。彼の体は一時間にもわたって吊るされ、死体は焼かれ、灰は散布された。, アイヒマンによって数百万人が絶滅収容所へ送られ、そのほとんどが虐殺されたとみられている。, 親衛隊全国指導者ハインリヒ・ヒムラーによって見出され、ナチスドイツの親衛隊諜報機関(SD)の長官に就任後、ドイツ警察と親衛隊の融合をわずか数年で成し遂げた男である。彼の力で最悪の秘密警察機構《国家保安本部(RSHA)》が産み落とされた。RSHAは、終戦までの各所の弾圧や恐怖政治、ユダヤ人の大虐殺の実行犯として働いた。更にRSHAは強制収容所をも支配し、戦時下における礼状なしの逮捕と強制収容所への拘禁を行うことが出来た。, 独ソ戦が始まると、ハイドリヒの命令によって対ユダヤ・パルチザン・共産党員のための特殊部隊(アインザッツグルッペン)が編成される。アインザッツグルッペンはわずか数千人規模の部隊であったが、SDやゲシュタポ、各警察から人員が引き抜かれ、現地の血に飢えたウクライナ・ラトヴィア傭兵を吸い込み、進撃する国防軍の背後で何の罪もない人々を手当たり次第に殺し始めた。わずか一年足らずで数十万人の無辜の民が銃殺された。, 1942年1月には、ヴァンゼー会議として知られるユダヤ人絶滅のための会議を招集し、ユダヤ人をいかに絶滅させるかを、各省庁の実力者と話し合った。, 9月には総統命令によってプラハに着任し、労働者階級の優遇と、即決裁判と公開処刑など、いわゆる飴と鞭の政策で、ほんの短期間で抵抗勢力を消滅させてしまった。その手腕にイギリス諜報機関はハイドリヒを危険視し、大量報復を招くと知りながらも暗殺を決行。暗殺は成功するが実行犯は全員死亡、関係ない人々まで関与を疑われて大量に死刑となった。, この暗殺に《総統》は怒り狂い、無関係の村リディツェ、レジャーキの消滅を指示。命令は実行に移され、二つの村が地図から消えた。, ハイドリヒが産み落としたRSHAはその後も帝国領内で恐怖政治を滞りなく続け、その地位はナチス崩壊のその瞬間まで微塵も揺るがなかった。, ナチスドイツには《国民啓蒙省》という珍妙な省があった。その大臣の地位にあったのがゲッベルスである。ゲッベルスの作り出すデマゴーグや、綿密に練り上げられた演説を前にすると、人々は黙り込み熱心に耳を傾けた。ゲッベルスの大衆を魅了する声の調子、誰でも理解できる精確な表現、辛辣なジョーク、容赦ない攻撃性、彼は大衆を扇動し、興奮させ、茫然とさせることができた。, しかし、ゲッベルスはナチ政権内において常に異端児であった。特に私生活では、その口のうまさと権威を傘に来て、手当たり次第に女性と関係を結んだ。ヒトラーがチェコをいかに手にするか思案していた時期に、チェコ人女性と不倫関係に溺れてスキャンダルとなった。. ・ナチスから逃れたユダヤ人少年を描く実話『ふたつの名前を持つ少年』公開決定 2017/5/10 ヒトラー、ヒムラーに次ぐ、“ナチス第三の男”として華々しい出世をしたラインハルト・ハイドリヒを描いた「ナチス第三の男」を観てきました。, 原作は、史上唯一成功した、ナチス高官の暗殺計画を描いた、フランスの小説家ローラン・ビネ著の「HHhH プラハ、1942年」, ナチスのユダヤ人虐殺を推進したハイドリヒの残虐な行為だけにフォーカスするのではなく、若きレジスタンスたちの活動や友情、恋心を描いているからこそ、ハイドリヒの行為が益々許せないと感じた作品でした。, ただ、ハイドリヒが抱えている「残虐性」は、誰の中にも潜んでいるものでもあると感じます。, 原作は、本屋大賞翻訳部門第一位にも輝き、NYタイムズ紙の“注目すべき本”に選出された、ローラン・ビネの大ベストセラー「HHhH プラハ、1942年」, 原作の「HHhH」は、Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳はハイドリヒと呼ばれる)の頭文字をとったもの。, フランス・イギリス・ベルギー合作による映画の原題は「The Man with the Iron Heart」鉄の心臓を持つ男。, 第2次大戦下のナチス・ドイツでヒトラー、ヒムラーにつづく「第三の男」と称され、150万人を超えるユダヤ人虐殺の首謀者として絶大な権力を手にしていったラインハルト・ハイドリヒを描いた作品。, バルト海海軍基地に通信将校として勤務していたラインハルト・ハイドリヒ(ジェイソン・クラーク)は、奔放な女性関係が災いし、海軍上層部にコネクションがあるという男から訴えられ、不名誉除隊となる。, 身から出た錆、怒りの持って行き場がない中、そんなハイドリヒを救ったのがハイドリヒの除隊理由も知っていた婚約者のリナ。, リナの計らいで、ハイドリヒはナチス党親衛隊指導者ハインリヒ・ヒムラーとの面接の機会を得る。ハインリヒ・ヒムラーは、ハイドリヒの素質を見抜き、情報部立ち上げを任せる。, めきめきと頭角を現すハイドリヒだったが、ナチスがヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げるなか、ハイドリヒの統治に危機感を抱いた英政府とチェコスロバキア亡命政府は、英国政府から訓練を受けたチェコのレジスタンスグループを送り込みハイドリヒ暗殺計画を企てる。, そして、ハイドリヒ暗殺計画が実行されるが・・・ハイドリヒ暗殺計画チームの行く末は?, ナチス党の総統ヒトラーは、「アーリア人」こそ優れた人種であり、「ユダヤ人」は劣っている人種と定義し、ハイドリヒはそれを守るために「ユダヤ人」虐殺を繰り返していました。, でも、「アーリア人」の純血を守ろうとする思想は、今また活動が活発になっていると言われている白人の「KKK」と何ら変わらないのではないか?と思うに至ります。, 大きな組織的な活動でなくても、自分と違う者を蔑んだり、差別したり、排除しようとする行為、または思想は、誰の中にもあるんじゃないだろうか?と感じます。, 学校でのいじめ、社会でのハラスメント、男女差別やそれに伴う発言などは、自分の考え方が正しい、自分の方が勝っている、という発想によるものですよね?, 規模が違えど、心の中にあるものは同じじゃないだろうか?と感じると共に、それが集まったり、共感する人が増えたりすると、大きな歪んだパワーになりかねないと思うととても恐ろしい。, 人は、大体が自分も含め、自分のやっていることが正しいと思い込みがちだけど、俯瞰すること、人の意見を聞ける耳を持つことは大切だなぁと感じました。, 英国政府から訓練を受けたチェコのレジスタンスグループの二人の若者が、パラシュートで真っ白な雪に覆われた山に降り立ちます。, 足跡も付いていない雪の山を歩いて移動するのですが、その苦行のような様子は、彼らの未来を暗示しているかのよう。, 映画は、メルセデスベンツのオープンカーに乗って表れたハイドリヒにレジスタンスグループの若者が銃を向けるシーンから始まります。, 映画はハイドリヒだけにフォーカスせず、レジスタンスグループのハイドリヒ暗殺計画のために送り込まれたチームにも視点を置いて描いていますが、時系列が前後しながら物語が進んでいくので、混乱しないようにご注意です!, レジスタンスグループのハイドリヒ暗殺計画のために送り込まれたチームの若者たちの明日への希望や潜伏生活の中での恋、子どもまでもが仲間を守ろうとする必死な姿、仲間との強い信頼関係、追い詰められた絶望感など、若者たちの生活から様々な感情を読み取れてすごく切ないんです。, 混乱の時代に生まれていたら、自分の息子たちもこんな生活を余儀なくされていたのかもしれない・・と思うと、切なくて涙があふれてきます。, 「誰にも言っちゃダメよ」と母親から言われた少年は、ナチ党に拉致され、拷問されている仲間の青年を目の前にしてもかたくなに口を割らないのですが、泣き叫びながらついにレジスタンスの隠れ家を口にしてしまいます。, 少年の意志の強さは、そのまま仲間を思う気持ちだっただろうに、自分ではなく仲間の青年に対する拷問を見せられ耐えきれなくなった気持ちを思うと辛すぎます。, ハイドリヒがナチ党に参加することになったきっかけは、婚約者だったリナがナチ党を指示していたことから、リナの計らいがあったからハインリヒ・ヒムラーとの面接の機会を得たわけで、特にハイドリヒがナチ党に心酔していたわけでも、ナチ党への参加を熱望していたわけでもなかったんですね。, 海軍を不名誉除隊した怒りやパワーが、ナチ党への活動、もっと言えば虐殺への大きなエネルギーになっていたかもしれないし、自分の力を誇示すること、出世していくことが目的だったのかも?と思ってしまうのが、娼館に盗聴器を仕掛けて、スキャンダルをネタに上官たちを恫喝までしてしまうところ。, 自分のためなら手段は問わない、汚いことも平気でやってのけちゃう、その根底にあるのは、自己愛じゃないだろうか?とも思うわけです。, 婚約者がいるのに、奔放な女性関係も悪びれず、その結果不名誉除隊ということになっても、後に上官を恫喝することでほくそ笑む・・・みたいなところ、徹底的な自己愛と感じるのは私だけでしょうか。, ハイドリヒは病院のベットで亡くなるのですが、そこからナチ党のレジスタンスグループへの報復が爆発します。, 圧倒的な人数の違いに、レジスタンスグループが追い詰められていくシーンは、辛すぎますね。ありきたりですが、戦争は繰り返しちゃいけない、と心の底から思います。, 地下納骨堂に立てこもったレジスタンスグループのヨゼフとヤンは、開口部から放水され浸水していく中、アメリカに渡ることを夢見て励ましあうものの、万策尽き「あっちで会おう」と言葉を交わし合い自ら命を絶ちます。, まだ若いのに、これから長い未来があるのに、希望に燃えている時もあったろうにと、彼らの無念を痛感します。, 戦争映画は嫌いですが、繰り返しちゃいけない!という思いを確認するためにも、時には辛い気持ちになることも必要なのかも、と思った作品でした。. 親衛隊全国指導者ハインリヒ・ヒムラーによって見出され、ナチスドイツの親衛隊諜報機関(SD)の長官に就任後、ドイツ警察と親衛隊の融合をわずか数年で成し遂げた男である。 映画はハイドリヒだけにフォーカスせず、レジスタンスグループのハイドリヒ暗殺計画のために送り込まれたチームにも視点を置いて描いていますが、時系列が前後しながら物語が進んでいくので、混乱しないようにご注意です! © 2016 Project Anth LLC All Rights Reserved, みなさんはチェコスロバキアという国を覚えているでしょうか? チェコスロバキアは1918年に発足後、1993年にチェコ共和国、スロバキア共和国に分裂・独立するまで続いた1つの連邦国家でした。, 2017年8月日本公開となった『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(チェコ・英・仏合作)は、第2次世界大戦中のチェコスロバキアでのナチス幹部暗殺計画について描かれた作品。ショーン・エリス監督が着想から完成まで15年の歳月をかけて作り上げた歴史大作です。, 筆者も以前はこの暗殺事件については全く知らず、チェコ人の友人との会話の中で初めてその存在と背景を知りました。, 本作は歴史事実に基づき非常に丁寧に作られたことが分かる、歴史映画好きな方もそうでない方にも鑑賞をおすすめしたい作品です。, 本作の原題は”Anthropoid”(エンスラポイド)。第2次世界大戦中の1942年にプラハで実行された、ナチスの親衛隊大将ラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画「エンスラポイド作戦」:Operation Anthropoid (日本語では言葉の意味通り『類人猿作戦』と訳されることもある)のことです。, 筆者はプラハの映画館で本作を鑑賞後に邦題『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺計画』を知り、原題とのあまりの差に正直かなり驚いてしまいました…。, というのも、この邦題では本作品の内容にそぐわないのでは…と感じたためです。『ハイドリヒを撃て!〜』という語調からは、何処となくアクション映画を彷彿させるエンターテイメント性が感じられ、作品が伝えたい事実とテーマが薄れてきてしまうように思います。, その点、実際の暗殺計画名を設定した原題 “Anthropoid”からは、歴史的事件を忠実に描こうという静かな決意が伝わってくるようで、より作品にふさわしいと感じました。, 1941年9月、ハイドリヒはナチス党指導者ヒトラーにチェコスロバキア内ベーメン・メーレン保護領(チェコ)の統治を命じられ、プラハに拠点を置きます。, ヒトラーの期待通り、ハイドリヒは就任と同時に情け容赦のない残酷な統治を開始。見せしめと称して反体制勢力に対する弾圧や公開処刑を頻繁に行い、「絞首刑人」「金髪の獣」などと呼ばれ人々から恐れられました。, ハインドリヒの統治下に置かれたチェコに危機感を覚えたイギリス首相チャーチルとチェコスロバキア亡命政府が連帯し、「エンスラポイド作戦」が計画され、暗殺計画の実行者となったヨゼフ・ガプチーク、ヤン・クビシュを含む数名がイギリスで暗殺のための訓練を受けました。, その後ヨゼフとヤンはイギリス軍機からパラシュートで投下する形でチェコに入ります。本作はその2人がパラシュートで山林に降り立つシーンから始まります。そして映画は2人がプラハ市内に入り暗殺計画を進めていく様子を追います。, 映画の中盤、暗殺計画当日の一部始終が描かれるのですが、1秒1秒息を呑むような緊迫のシーンが続きます。作品の撮影は実際にプラハで行われたため、当時プラハに住んでいた筆者は、馴染みのある場所が劇中に次々と現れたおかげで頭が少々混乱してしまいました。, 本作の主人公で、暗殺計画実行の主要人物であるヨゼフ・ガプチークとヤン・クビシュを演じたのは名俳優キリアン・マーフィー、そして近年大注目のジェイミー・ドーナン。, キリアン・マーフィーは言わずとも知れた、深みのある演技に定評のある名俳優。一方のジェイミー・ドーナンは北アイルランド出身。主にモデルとして活動していました。2015年公開の官能映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で体当たりの演技を見せたことで一躍脚光を浴び、その端整なルックスも注目の的となり人気俳優の仲間入りを果たしました。, 本作では2人とも、チェコスロバキアの未来のために自分たちの命を捧げたものの、その決意の中に抑えきれない様々な感情が見え隠れする、複雑な心情を見事に演じきっています。, 特にジェイミー演じるヤン・クビシュが暗殺計画の実行直前に精神のバランスを崩して取り乱すシーンは忘れられません。それまでクールな印象を保っていた彼でしたが、「ナチス第3の男」と呼ばれ怪物のように恐れられているハイドリヒを暗殺するというあまりのプレッシャーと恐怖に、一瞬我を失ってしまいます。, このジェイミーの演技は臨場感に溢れており、彼を羽交い締めにして落ち着かせようとするキリアンが一瞬「食われている」ように見えてしまうほどです。, チェコの人はこの作品をどう捉えているんだろう?と考えた筆者は、この暗殺事件について知るきっかけとなった友人にインタビューを決行してみました。, 友人が真っ先に言ったのは、「この映画を観る気はない」ということでした。理由を聞いて観ると、高校生の頃に学校の授業で十分学んで知っているから、わざわざ映画を観る必要性は感じないとのこと。, 彼の話によると、高校生のころ授業でこの事件を特集したドキュメンタリーを鑑賞したそうです。その中にはジャーナリストが撮った実際の動画も含まれていたとのこと。事件について学んだ後は、学年全体でヨゼフ・ガプチークやヤン・クビシュらが暗殺計画の実行後に身を潜めたプラハ市内の教会へ見学に行ったそうです。, 実際に見学に行って感じたのは、「悲しみ」や「怒り」ではなく、とにかく「異様」な感覚だったといいます。自分が立って居る場所が、歴史的事件でたくさんの命が亡くなった場所だという実感が掴めず、とにかく不可解な感情がいつまでも心に残ったとのことです。, また本作を観たくないもう1つの理由として、予告編を見た際、人々の興味を引きつけ観客を動員するためにエンターテイメント要素が付け加えられていると感じたからだそう。 ラインハルト・ハイドリヒ Reinhard Heydrich 《金髪の野獣》と呼ばれた秘密警察と諜報部のボス. 映画はその一端を担ってくれる、大切なツールと言えるでしょう。 『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺計画』は決して気楽に鑑賞できる作品ではありません。