ブラジルサッカーが強い理由は文化・国民性・輸出大国の3つである。 211の国と地域が参加するFIFAワールドカップにおいて、唯一全大会に参加している代表チームはブラジルだけ。 数多くのクラッキ(スター)を生み出したブラジルにおいて、攻撃的なサッカーのイメージを持つ方は多い。, 簡単に得点出来てしまう相手とばかり試合していれば、いざ守備の堅い相手との対戦で打開策を見つけられない。, 世界のサッカーが進化していく中で、これまでも個人の守備能力なら世界TOPだったセレソン(ブラジル代表)が、組織力も世界TOPに君臨しようとしている。, 今回は南米でサッカー指導者を務める筆者からブラジルの指導現場で起きている事をお伝えしたい。, その前置きはあった上で、日本ではゴールを守る守備、ブラジルでは日本よりも”奪いに行く守備”を重視している。, 日本の守備が足を出さずに攻撃方向を制限しながら追い込んでいくのに対し、ブラジルはもう少し奪えそうなら独力でも足を出してボール奪取にトライする。, 日本では幼少期に「ボールに足を出さない・飛び込まない・突っ込まない」と教えられる。, それは基本として正しいのではあるが、ただ育成的な観点から見た時には子供達の経験や成長機会を奪ってしまっている瞬間も散見する。, 足を出して奪える場面も本当は時折あるし、足の出し方も色々な工夫があるのに、最初から「足を出さない」と教え込まれてしまって、足を出さない守備しか出来なくなってしまっているのではないか?, こう言うとまた極端に「何でも足を出していると1発で抜かれて危険だ」という反論があるが、何もいつでも足を出せと言っているのではない。, 何も考えずに突っ込めばそれはやられるが、何も考えずに足を出さない事も同じく思考停止、研鑽の浅さでいえば等しいのだ。, しかし経験を積み、次第に足を出すと抜かれる場面、奪える場面、そして足の出し方の工夫を積み上げたブラジル人の方が守備力が逆転する。, ブラジルというとストリートサッカーを連想されるので意外なイメージかも知れないが、当然ながら同じブラジルでもクラブによって状況は異なるし、サッカー好きは多いので人気クラブならJクラブより資金力はあるのだ。, 絶対ではないが、ブラジルだと幼少期にストリートサッカーやフットサルをして、中学生年代あたりからサッカークラブに入るという子も多い。, 小学生まではストリートサッカーで指導者の制限もないので足を出す守備を経験する土壌がある反面、組織的守備はそこまで学んでいない事もある。, ストリートサッカーでもブラジルはサッカー文化が根付いているので感覚的にカバーリングやポジショニングは身に付けていくが、とはいえ監督がガッチリとボールの奪いどころや追い込み方を指揮するわけではないし、守備戦術を落とし込むミーティングや練習も基本的にはない。, だからこそか、私のお世話になっているECバイーアではU14から下部組織を持っているのだが、そこからは分析スタッフを置いたりテクノロジーを用いて非常に近代的な育成手法をとる。, 育成年代でも分析スタッフを2人雇い、試合の時のポジショニングなどについてもビデオを使って指導していく。, ただECバイーアは1部所属のプロクラブなので、街クラブだと出来る事は制限されるがYouTubeを使うなどまたクラブ毎の工夫は面白い。, ここでも注意を喚起しておくが、ブラジルもプロクラブは約800あるので考え方や価値観はそれぞれであるし、ストリートサッカーも数えられないほどあるので例外もあるだろうという事だ。, もしかするとストリートサッカーでも近所のお兄さんが指揮を執ってかなり組織的にプレーしているケースもあるかも知れない。, 矛盾するような言葉だが、ゴールを守るためより、ボールを得て攻撃するために奪う守備という意味だ。, 勿論これも場面によるし、ゴール前で失点リスクの高い時は逃げるための守備に切り替わる事もある。, 現在のブラジルサッカー界が取り組んでいるのは、南米的な個人能力と欧州的な組織能力の融合。, ※こちらも合わせてご覧くださいブラジルサッカーの育成から学ぶhttps://fcl-education.com/raising/independence-coaching/football-brazil-soccer/, ブラジルサッカーとの環境の違いから育成を考えるhttps://fcl-education.com/raising/sportsmanship/brazil-football-soccer-world-japan/, 小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのカンボジアンタイガーの全身クラブやラオス代表チームで研修の後、ブラジルへ渡り、ブラジル1部Atlético ParanaenseのU14でアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。2017年はブラジル1部のECバイーアで研修生指導者からプロ契約を目指している。ペルー1部のアリアンサ・リマや、メッシを育てたアルゼンチン1部のニューウェルスなどでの研修歴も。, twitter: http://@HenzanRyotamail: ryota_henzan@yahoo.co.jp, Football Coaching Laboratoryはサッカー育成年代の指導をする際に必要な情報を ブラジルの酸いも甘いも知り尽くしている在住歴17年の女性。日本で知り合った日系ブラジル人の主人と子供3人で、ブラジルライフを満喫中です!特にトロピカルフルーツや自由な感じがお気に入り。どんなかな?とちょっとでも気になったらぜひ覗いてみてください。面白い発見があるかもしれませんよ?. 211の国と地域が参加するFIFAワールドカップにおいて、唯一全大会に参加している代表チームはブラジルだけ。, 全21回、88年の歴史を持つFIFAワールドカップにおいて、最も多く優勝している代表チームはサッカーブラジル代表。, 「サッカーの強い国はどこ?」という質問を投げかければ、真っ先に思い浮かぶ国はブラジル。, これらの事実を鑑みる(かんがみる)だけでも、いかにブラジルが世界のサッカーをけん引してきたのかがわかりますね。, ということで今回は、ブラジルサッカーの特徴を深く掘り下げ、なぜブラジル代表が世界をけん引する存在となったのかをご紹介していきます。, この記事を読むことで、「ブラジル=サッカー強い」というなんとなく抱いていたイメージが明確になり、その強さの理由がよくわかりますよ。, 前回のオランダ編はこちらからどうぞ。>>>オランダのサッカースタイル「トータルフットボール」とはなにか。, 始めに、ブラジルの強さがよくわかるデータとして、FIFAワールドカップにおけるサッカーブラジル代表の成績を振り返ってみましょう。, 冒頭でもお話ししたように、1958年の初優勝からこれまで最多となる5回の優勝を達成し、ベスト4進出回数もドイツ(13回)に次ぐ11回を数えるブラジル代表。, 優勝した日韓大会以降の最高成績は2014年の4位とやや低迷してはいるものの、最高成績がベスト16の日本と比べれば、常にベスト8以上へ顔を出しているブラジルは「サッカーの強い国」以外の何ものでもありません。, では、ここからいよいよ本題「サッカーブラジル代表はなぜ強いのか」という理由をまとめていきましょう。, ブラジルの文化と言えばやはり「サンバ」が思いつきますが、それ以外にも独自の文化を持っており、それぞれの文化はブラジルサッカーに強さをもたらしているのです。, サンバとサッカー、一見するとつながりがなさそうな両者ですが、サンバの原型となった「カポエイラ」という文化の特徴を知れば納得です。, カポエイラとは、足技を中心とした格闘技に楽器や歌による演奏がつけられ、ダンスのような格闘技のような不思議な動きをする伝統芸です。, 実はこのカポエイラ、基本ステップがサンバの基本ステップと酷似していることから、ブラジルのサンバはカポエイラのステップが原型となって生み出されたと考えられているのです。, 勘のいい方ならすぐおわかりいただけたと思いますが、カポエイラは「足技を中心とした」伝統芸、同じくサッカーも「足技を中心とした」スポーツ。, サッカーにおいて、世界的な名選手の元スウェーデン代表ズラタン・イブラヒモビッチがテコンドー経験者だったというのは有名なエピソードですが、幼い頃から親しむであろう文化が足技中心であれば、その技術がサッカーへ生かされるのは至って自然な流れですよね。, さらに、サンバと言えば華やかな衣装の女性が踊っているイメージが強いですが、なにも女性だけが参加するものではありません。, ロナウジーニョやネイマールがゴールパフォーマンスでよくサンバを披露していましたが、サンバはブラジル国民のDNAに組み込まれているのかもしれませんね。, ジンガとは、カポエイラの基本ステップにボールを絡めるようなテクニックのことで、非常に滑らかなボールタッチを可能にします。, サンバはどちらかというと間接的なつながりですが、こちらはより直接的に強さの理由とつながっており、ブラジルサッカーのすべてと言っても過言ではないでしょう。, カポエイラの方は足を大きく開きますが、基本となるリズムはどちらも同じであることがおわかりいただけると思います。, そしてこのジンガですが、母国ブラジルではスピリット、信念、プライドといったような意味も持ち合わせているため、単なるサッカーのテクニックとしてだけでなく、ブラジルの歴史に深く刻まれているアイデンティティとも言えるのです。, このように、ブラジルのサッカーはカポエイラという文化が基礎となり、派生したサンバやジンガなどによって進化を遂げてきました。, 緩急をつけたリズミカルなドリブル、上半身を左右に大きく揺らすフェイント、ボールが足に吸い付いたような跨ぎのコントロール。, 手を使うことを極端に制限されているサッカーというスポーツにおいて、ブラジルの文化は選手にとって大きな武器となり、サッカー王国ブラジルを形成してきたのです。, ブラジルのサッカー選手と言えば、例え大柄なディフェンダーでも「ボールタッチが巧み」な選手が多くいますが、その背景にはこのようなブラジルの文化が大きく関わっていたというわけですね。, しかしなぜ混血が強さの理由になるのか、それはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。>>>サッカー強豪国・フランスによる革命は今も起きている, 上の記事でおわかりいただけたように、現代サッカーにおけるアフリカンパワーは強大です。, もともと先住民が住んでいたブラジルでしたが、そこにアジア大陸から黄色人が、ヨーロッパ大陸から白人が、その後にアフリカ大陸からは黒人が移り住み、その結果、様々な人種が入り混ざって繁栄を遂げてきたという移民文化の歴史があったのです。, そのため、現在のブラジル国民は、白人・黒人・混血という様々な人種が融合し形成されています。, ブラジルの人口は現在2億人を超えていますが、そのうちの45%は混血人種で占められており、さらに混血と黒人を含めた割合となると実に54%、つまり国民の半数以上が「混血+黒人」なのです。, しかし、直近6大会において最も多く決勝に進んでいるのはフランス代表(6大会中3回決勝進出)であり、先ほどご紹介した記事の通り、フランスの特徴は多人種が融合した代表チームであることです。, そしてなにより、唯一全大会に出場し最も多くの優勝を遂げているのがブラジル代表であり、やはりこちらも移民大国という特性を持っています。, サッカーブラジル代表の強さの理由の2つめは、多人種の融合による身体的な優位性だったというわけですね。, ブラジルの強さの理由3つめは、ブラジルは「世界で最もサッカー選手を輸出している国である」ということです。, しかしなぜ輸出大国になったのか、輸出大国と強さの理由がどうつながるのかを順にご紹介しましょう。, ブラジルが輸出大国となる理由の1つめは、プロサッカー選手の競争率が非常に高いということです。, というのも、ブラジルには国内リーグとして「カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA」があります。, サンパウロFCやサントス、フラメンゴなどの名門クラブが参加し、南米のクラブチャンピオンを決める「コパ・リベルタドーレス」でも好成績を収めています。, しかし、ブラジルの総人口は世界第5位の2億768万人、そのうちでサッカーをプレーする競技人口は1320万人と言われています。, ブラジルにおいて、サッカーは国民から最も愛されているスポーツですし、そのフィールドで活躍することはサッカー選手として誇りとなるでしょう。, ただ、そこに至るためには1320万のライバルと競わなればならないため、とても競争率が高くなってしまうのです。, そこで貧困層の少年たちはプロサッカー選手になってお金を稼ぎ、両親や兄弟を裕福にしてあげたいというサクセスストーリーを描きます。, 実際、ブラジルにはその筋書きを辿った成功例がいくつもあるため、そのハングリー精神はより大きくなります。, 王様でおなじみのペレ、ロマーリオ、ロナウド、ロナウジーニョ、ロベルト・カルロス、アドリアーノなど、貧困層出身のブラジル人スタープレイヤーは数え切れないほどおり、貧困層の少年たちの道しるべになってきました。, ブラジルの少年たちが路地でストリートサッカーをするシーンはよくピックアップされますが、彼らはまさにそういったプロセスを経て世界的なプレイヤーにのし上がったわけですね。, 実際、ヨーロッパ主要リーグに所属する選手の平均年収を調べてみると、イギリス紙『デイリー・メール』の調査では、イングランド・プレミアリーグが4億1500万円、ドイツ・イタリア・スペインが2億円~となっていて、本国・ブラジル・カンピオナート・ブラジレイロは約1億円となっています。, ですから、より多い出場時間、より高いサラリーを求めて国外へ出るという選択は、ブラジルの経済状況を見れば必然的とも言えるわけですね。, 当時現役だった「悪魔の左足」を持つセレソンのレジェンド「ロベルト・カルロス」が、携帯電話でラジオ生出演中に強盗に遭ったというのは有名なエピソードです…。, もちろんですが、ブラジルの犯罪発生率は他のサッカー強豪国と比べても圧倒的に高い数字となっています。, 近年、日本代表の中心が海外組となっているのは周知の事実ですが、その主な理由はサッカー選手としてより成長するためであると考えられます。, 実際、ワールドカップなどの国際大会において、スタメンのほとんどは日本国外で活躍している選手で構成されています。, つまり、選手は国外でプレーすることによって成長し、代表チームはその個人の成長によって強さを手に入れるのです。, たくさんのブラジル人選手が国外で活躍することによって、選手として人間として大きく成長し、代表チームに強さをもたらすためである。, 次回は、南米のパリとも称される国・アルゼンチンです。>>>サッカー強豪国・アルゼンチン代表の本質とはなにか。, 2017年から始めたこのブログですが、開設から1年ほどは気が向いた時だけ記事を書く「ゆるゆる更新」でした。, 2018年から心機一転、「世の中に欠けている情報の提供」を日々更新し、本業以外の副収入を生み出せるまでになりました。, オランダサッカーの特徴をまとめています。サッカー強豪国オランダ代表のサッカースタイルとトータルフットボールの関わり、さらにアヤックス・ユースアカデミーの特徴をご紹介。, サッカー強豪国・フランス代表の特徴についてご紹介しています。芸術文化、黒人などの移民、FIFAの創設、ワールドカップの開催、若手の育成など、フランスがサッカー強豪国と呼ばれる理由をまとめました。, サッカー強豪国、アルゼンチンのサッカースタイルをまとめました。この記事を読むことで、アルゼンチンサッカーの特徴を詳しく知ることが可能です。, イングランドサッカーの特徴を解説しています。この記事を読むことで、サッカー強豪国のイングランド代表と、イングランドのプロサッカーリーグであるプレミアリーグのサッカースタイルや戦術の特徴がわかります。, イタリアサッカーの特徴をまとめています。この記事を読むことで、ワールドカップ優勝4回の強豪国であるイタリア代表と、カルチョの名で親しまれるイタリア・セリエAのサッカースタイルや戦術の特徴がわかります。, ドイツサッカーの特徴をまとめました。この記事を読むことで、日本人と共通点が多いと言われるドイツ人の国民性、ワールドカップの舞台で安定した好成績を収めるサッカー強豪国ドイツ代表の戦術とサッカースタイルがわかります。, スペインサッカーの特徴をまとめています。この記事を読むことで、無敵艦隊でおなじみのサッカー強豪国スペイン代表と、ヨーロッパの舞台で実績No,1のリーガ・エスパニョーラのサッカースタイルや戦術の特徴がわかります。, ホーネット250のエンジン音を満喫する動画集”No Talk,More Exhaust.”公開, ExactMetricsとは?Google Analytics Dashboard for WPとの深い関係, カポエイラは「足技を中心とした」伝統芸、同じくサッカーも「足技を中心とした」スポーツ。, ブラジルのサッカーはカポエイラという文化が基礎となり、派生したサンバやジンガなどによって進化を遂げてきました。, 1320万のライバルと競わなればならないため、とても競争率が高くなってしまうのです。, より多い出場時間、より高いサラリーを求めて国外へ出るという選択は、ブラジルの経済状況を見れば必然的とも言えるわけですね。, Copyright secured by Digiprove © 2017-2019, サンバやジンガはカポエイラにルーツを持ち、カポエイラは足技を中心とした伝統的な文化である, 2018年11月・ブログタイトルを「あずらい」から「真面目に遊んで生きてくレシピ」に変更.